ハンサード (Hansard)ファンド分析⑥MC185 HIL Emirates MENA Top Companies USD
今日紹介するのはMC185 HIL Emirates MENA Top Companies USDです。
MENAとはミドルイースト、ノースアフリカを指す言葉で、中東と北アフリカを中心としたファンドとなります。
特徴的なのはイスラム経済圏が投資対象ということで欧米経済圏とは異なる独自の経済圏であるということです。
主な国としてはアラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、カタール、クウェート、モロッコ、チュニジア、エジプト、ヨルダンなどとなります。
2018年は多くの国の株式がマイナスとなりましたが、Menaファンドはプラスで終えました。他にはブラジルくらいしか2018年はプラスではありませんでした。
この調子で異なる値動きが続けば、北米、欧州、アジア、南米に次ぐ5番目の投資地域として拡大していくことも十分考えられます。
イスラム圏というと、株式よりその独自の発行様態のイスラム債のほうが注目をされますが、今後は株式市場自体もその存在感を高めていきそうです。
投資割合はサウジアラビアが半分以上を占め、アラブ首長国連邦と、エジプト、クウェートがほとんどを占めます。
業種別にみると新興国ではありがちですが金融の割合が高く、倒産可能性の低いところを中心に組み入れています。またサウジアラビアが入っていますので原油関連と思われますが、素材関連企業も多く入っているのが特徴です。
直近3年の業績は良かったですが、その前の2年はかなり下がっていますので、リスクが少ない市場ではありません。やはり経済の根幹である原油価格が下がっているときには全体的にアンダーパフォームすることが多くなります。
メインに投資することはないと思いますが、先進国中心に分散投資するときに、組み入れる分にはメリットがあるかもしれません。
また最近アラブの春で経済が後退していたエジプト経済の軌道回復も注目されます。エジプト経済はは、原油関連の以外にめぼしい輸出品目がありませんでしたが、EUとの連合協定による関税撤廃を契機に、工業製品等の輸出が増えてきています。
今後の経済成長を期待して投資するのもよいかもしれません。