ハンサード~投資運用業と投資助言業のサービスの違いを知ろう~
投資助言会社と投資顧問のサービスの違いについて書きたいと思います。
先日香港の金融庁の登録内容についてを確認しました。
そこで香港のIFAの場合は下記のどちらかは必要である旨説明しました。
Type4 投資助言 (Advising on securities)
Type9 投資運用(Asset management)
この中でType4 投資助言 (Advising on securities)とType9 投資運用(Asset management)のサービス内容の違いを理解しましょう。
ポートフォリオの自動変更 | ポートフォリオの運用相談 | |
投資助言業 | × | 〇 |
投資運用 | 〇 | × |
基本的に投資助言業は相談して投資家が自分でポートフォリオを変更します。
勝手に運用はしてくれないものの、個々人の状況に応じてポートフォリオの変更が可能となりますが、「相談することが前提」のサービスですので、相談しない人は何もしていないということになりかねないサービスです。
それに対し投資運用業は、3つほど基本ポートフォリオがあるので、それを自分で選択するだけです。各IFAごとに運用方針は全然異なり、頻繁にファンドを変えるところから、ほとんどファンドを切り替えないところまで様々です。ただし個々人の状況に応じてポートフォリオは変更しません。相談しても3つのどれを選ぶのかという話で終わります。また満期が近づいてきたから変更ということもないため、自分で満期近くは低リスクのポートフォリオにしたいといわないと、痛い目にあう可能性があります。昔ながらのラップ口座のイメージが一番近いでしょうか。運用方針が合わなかった場合IFAを変更するのはこうした定型ポートフォリオの場合は当てはまるかもしれません。(途中の運用成績で判断しにくい積立投資では難しい判断ですが)
投資運用業と投資助言業では役割が異なりますが、一般的に投資助言のほうが個々人の相談を受けるために内容に小回りが利きやすい一方手間がかかりやすく、反対にラップ口座のようなパターンをまとめた投資運用業のほうが楽で手間は少ない一方、運用の中身はおおざっぱな傾向にあります。
投資助言のIFAで相談していた人が、投資運用のIFAに変更した場合は、言葉の壁もあり相談に乗ってくれないのと、月に1回のレポートが送られてくるだけのため非常に心細くなる可能性があります。
逆に投資運用のIFAを利用していた人が投資助言のIFAを利用すると、相談するのがめんどくさくなり、放置気味になることがあるようです(前半なら良いと思いますが後半は少し考えものです)。
日本の投資助言サービスは個別の相談が可能な運用ですので、1年に1回から年に2回ほど相談できるならば、さみしさは感じないサービスになると思います。
逆に香港のIFAで投資一任運用をする場合は、相談することを期待せず、運用を任せることを前提に選ぶとよいでしょう。
相談したい人 | お勧めのタイプ | |
投資助言業 | 〇 | 1年に1回は相談できる人 自分で投資判断したい人 |
投資運用 | × | 運用を任せられる人 |
話を聞いている限り、香港のIFAでも運用に狙いがあるにもかかわらず、ダメ運用と決めつけてIFA変更を勧めているブログもあるようです。香港のIFAは相談ができず、解約を選ぶ人が多いとも聞いています。不安になるのもわかりますが、積み立ての成否の7割位は長く続けるかですので、きちんと続けた方がいいでしょう。本当に大切なのは出口戦略で、今の成績で20年後の結果は判断できません。
また日本の投資助言業はポートフォリオの内容は基本に忠実で、問題ないように思います(一部分散投資しすぎな会社はあるようですが)。
ヘッジファンドの割合が多いとのコメントがありますが、伝統的な資産との分散投資効果や近年の資産運用業界の潮流、債券の低金利の投資環境を考えれば問題ないと思います。
⬛他社を批判する会社について
ハンサードや他社を批判するブログを書くのは簡単です。
しかし、まずはそれを書いている会社自体の信頼性を確認することが大切です。
私が調べた限り他社を批判している会社のほとんどは香港の金融庁の登録も、日本の金融庁の登録もないところが多いようです。だからこそ他社の批判ができるのですね。
情報に踊らされる前にまずはハンサードを解約させよう、ハンサードを移管させようとする人たちの身元の確認から始めることをお勧めします。
参考記事