ハンサード投資家に伝えたい2大投資戦略とは
ハンサード投資家に伝えたい2大投資戦略とは
ハンサードの投資家はプロに相談する(投資助言業)・またはプロに運用を任せる(運用業・投資一任業)のどちらかを選択されていることと思います。
そうはいっても多くの投資家が損しているときは気が気ではないのではないかと思います。
そこで運用には2大潮流があり、これを理解することで各会社の運用方針を理解しやすくなると思いますので、読んでいってみてください。
1.モメンタム運用:直近上がっている銘柄を買いに行く手法
2.バリュー株投資:株式の価値をも投資指標として投資していく手法
→資産バリュー(ベンジャミン・グレアム)
→グロースバリュー(ウォーレン・バフェット)
→グローバルバリュー(ジョン・テンプルトン,マーク・モビアス)
この二つの運用戦略は実は全く真逆の結果になることも多く、モメンタム運用用の情報をもとにバリュー投資を判断すると「間違っている」という結論に陥ることが多いのです。
◆モメンタム投資法
モメンタム投資とは、現在の株価のトレンドが継続することを想定した投資ストラテジーです。「業績モメンタム」、「株価モメンタム」などが有名です。多くのデイトレーダーに愛用され、株価推移から投資を予想するテクニカル分析で、相場の強弱を測る指標の一つとして利用されています。
直感的でわかりやすいため多くの投資家が実践するため、利益の基本は他人の損失というゼロサムゲームになりやすい投資手法である。一時的には実績をあげられても最後まで勝ち残るのはほんの一握りである。
基本的に長期投資家はバリュー投資が向いており、短期運用ではモメンタム運用が向いているといわれています。
証券会社の情報は多くは短期運用のモメンタム用のため長期的な運用である積み立て投資家にはあまり向かないと考えられます。
香港のIFAの中でも短期売買するタイプはモメンタム投資家と思われます。ハイリスクハイリターンの運用になりがちなので要注意です。
◆バリュー投資
一般の人とは異なり逆張り、つまり下がっているところを買いに行く手法です。強い精神力と専門性が必要となりますが、その分長期的な勝率は高い傾向にあります。
現代最高の投資家というのはウォーレンバフェットか、ブリッジウォーターのレイダリオが有望ではないかと思いますが、その一翼をになるウォーレンバフェットはバリュー株投資を代表する投資家です。
◆資産バリュー戦略
資産が時価総額よりも大きい株式に投資する手法です。これはよく言われる株価純資産倍率といわれる数値が1を切っている投資対象または、株価純資産倍率が低い投資対象に投資する手法です。
グレアムは独自の手法として(流動資産ー総負債)×2÷3>時価総額という独自の判断手法を利用していたといわれています。
またグレアムは株価収益率も利用した、ミックス係数(株価純資産倍率×株価収益率<22.5)も利用しながら投資判断していたようです。
このような投資手法を行いましょうということではなく、皆さんが投資しているオフショアファンドもこのように独自の投資手法を利用しながら投資しているということを知っていただきたいと思い記載しています。
◆グロースバリュー戦略
これはウォーレンバフェットが重視しているといわれる投資手法ですが、バフェット自体は具体的な投資手法を明示していないようです。
しかしバフェットは
- 投資すべき企業が行っている事業の内容を正確に理解できること
- 長期的に良い業績を保つことができること
- 経営者にきちんとした経営能力が備わっていること
- 魅力的な株価であるということ
という4点を重視していたとい割れています。
バフェットはこの投資原則を貫きITバブルに巻き込まれなかったことは有名で、現在投資の世界では世界最大のバリュー投資家として知られています。
バフェットと同じくバリュー投資家として有名なハワードマークスは彼の自書で下記のように記載しています。
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つねに平均を上回る成果をあげるのに必要なすぐれた洞察力や直感、価値観、心理感覚を会得できる者は一握りにすぎない。そうなるためには、(表面的な思考である一時的な思考ではなく)二次的な思考が欠かせないのである。
●「これは良い企業だから、株を買おう」というのが一次的思考。一方、「これは良い企業だ。ただ、周りは偉大な企業と見ているが、実際にはそうではない。この株は過大評価されていて割高だから売ろう」というのが二次的思考である。
●「経済成長率は低下し、インフレ率は上昇する見通しだから、持ち株を売ろう」というのが一次的思考。一方、「景気見通しは悪いが、ほかの投資家はみなパニック売りしている。今が買いどきだ」というのが二次的思考である。
●「この企業は減益になると思うから、売りだ」というのが一次的思考。一方、「この企業の減益幅は周りが予想しているよりも小さいと思う。予想より良い業績が発表されて株価は上昇するだろうから、買いだ」というのが二次的思考である。
一次的思考は単純で底が浅く、誰にでもできること(つまり、優位に立とうとする場合に役に立たないこと)である。一次的思考をする者がみな求めるのは、「この企業の見通しは良好だから、株価は上がる」といった将来に関する見解である。一方、二次的思考は奥が深く、複雑で入り組んでいる。二次的思考をするには、以下のように非常に多くのことを頭に入れなければならない・・・・
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投資でリターンを出すためには周りとは異なる投資判断をしなければならないが、多くの投資家の思考法は表面的だが、プロの投資家はさらにその一段奥を考えて投資するということです。
◆グローバルバリュー
一つの国の中ではなく世界の中で割安な企業を投資しようというグローバルバリュー投資。中でも新興国投資の天才、マークモビアスの投資手法は非常に参考になります。
彼の投資手法の原則は
●逆張り戦略
●ハードワーク
●楽観主義
●分散投資
●長期投資となります。
特に市場がパニックの時ほど投資タイミングであるというのはほかのバリュー投資家同様です。基盤がしっかりして将来見通しも良い優良企業が、全体経済の動向によって超割安に売られた時に買う、これを世界規模でやっていくのがグローバルバリュー戦略となります。
◆自分の運用はどちらの戦略なのか
運用は主に割高でも気にせず買って行くモメンタム投資か、投資対象の割安さや成長して将来割安になることを見越して投資するバリュー株投資の手法がありますす。
自分のIFAの運用戦略を判断しておくと、見通しがつきやすくなり、余計な心配が減ると思われます。
また素人程モメンタム投資を志向し、プロ程バリュー株投資を好む傾向が多いことは知っておいて損はないのではないでしょうか。