英国保険業界とユニットリンク型年金保険(ハンサード、スタンダードライフ、ロイヤルロンドン)
今日はハンサードやロイヤルロンドン、スタンダードライフなどのユニットリンク型年金保険の発祥の地、イギリスの保険業界について確認していこう。
実は英国保険の保険収入の64%はユニットリンク型の変額保険というデータもあるほどハンサードの仕組みは一般的なものなのだ。(ただし一括のタイプユニットリンクもある)
少々古いがニッセイ基礎研究所が詳しい説明をしている。そのデータを利用しながら簡単に説明していこう。
英国は近代生命保険業発祥の地である。日本の保険会社の規制や保護制度は英国を基礎として作られているといっても過言ではない。保険会社が破たんしても80%を民間で保障させる仕組みなどは日本はどのまま採用している。
生命保険(死亡保険)も、もとをただすと英国発祥だそうだ。
しかし現在の英国では、死亡保険のシェアは減ってきている。
じつは英国の生保市場は、年金、一時払い生命保険、ユニットリンク(変額)保険年金を中心とする投資貯蓄市場がメインとなってきており、これは国の社会保障制度と保険をうまくすみ分けて成長しているといえそうだ。
ハンサード、ロイヤルロンドン、スタンダードライフ、フレンズなど運用型の商品は実は英国では68.9%を占める保険のメインで構成されている。
このような販売の中で商品性を工夫しながら合理的な商品を作り上げていっている。
金融商品での運用はどうしても、販売手数料による回転売買の問題が付きまといますが、ユニットリンク型の運用は売買による追加の手数料がかからず、事前にコストが確定しているという点で、知識のない人が手数料を以上に多くとられることを防いでくれる。
香港では一任勘定が多いようですが、イギリスでは個々人ごとに満期が異なるため、助言型でポートフォリオを自由に変えられるタイプが一般的のようだ。
運用を相談しながら実践していきたいという方にはハンサードのようなユニットリンク型の運用はお勧めである。
因みに日本は規制が厳しく欧州系の存在感が小さいですが、インドネシアは欧州系の保険会社の存在感が強いためユニットリンク保険が全契約収益のうち49.2%を占めているそうです。またベトナムはさらに大きい55.88%がユニットリンク型年金保険なのだ。
日本と異なり、欧米の保険会社は保険のコストを明示しています。そのため死亡保険や生命保険はコストに対するリターンが見合わないことから徐々に売れなくなってきたと考えられる。
それに対してユニットリンクは運用というサポートが必要なことから専門的な知識が必要となり、ファイナンシャルアドバイザーとしての技能が求められる。
日本の保険会社は早くコストを明示する環境を整えなければ、金融鎖国はいつまでも続くと考えられる。
ハンサードやロイヤルロンドン、スタンダードライフなど海外のユニットリンク型年金保険を早期に解約すべきと記載している方々は世界的な保険販売の潮流を見て、まだ解約すべきといえるのだろうか?
****参考記事***
英国生保業界の変容-投資・貯蓄指向の生保経営 年金への傾斜が強まる-
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=52929?site=nli
【アジア・新興国】ベトナム保険市場(2017年版)
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61008?site=nli
インドネシアの生命保険市場-期待の生保新興市場インドネシアの状況-
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=55616?site=nli