ハンサード(Hansard)アスパイア解体新書2021

ハンサード(Hansard)アスパイア(いつかはゆかし)や海外投資を詳しく解説!

運用におけるデジタルとアナログ的な考え方

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金融市場で働く人の中にもデジタルな考えを持つ人と、有機的(アナログ)な考えを持つ人がいます。

 

多くの人はデジタルな考え方が優れていると考えるかもしれませんが、実は理解ができるのならば有機的なアナログな考え方のほうが有効です。

 

デジタルとは連続的な量を、段階的に区切って数字で表すことを言い、アナログとは物質・システムなどの状態を連続的に変化する物理量によって表現することを言います。

 

つまり、静的に区切って表すデジタルに対して、有機的に連続的に動きをとらえるアナログでは、物のとらえ方自体が異なるのです。

 

インデックス投資が好きな人たちはデジタルな考え方で、理想的な摩擦のない世界がリアルにあると想定しているため、昔ながらのアナログな人たちは全く同意しません。しかしアナログな人たちは動的な動きを理解はしていても、それを体系的にとらえて利用することができていない人が多いようなのです。

 

ただし、デジタルな世界ではないということはいくつもの例を挙げることができます。

そういった事例に触れることで有機的な関係をいくつも見つけることができれば、デジタルで情報を整理して、有機的に物事をとらえられるハイブリットな投資家になれるかもしれません。

 

2002年にLMEの銅の在庫は歴史的にみても高水準に積みあがりました。当然銅価格は安値で低迷していましたが、その後銅の在庫は2005年までにおよそ1/10以下まで減り始めました。

 

通常銅の在庫の減少は需要の拡大を意味するため価格は上がるはずですが、銅価格は2003年から2004年に2倍に上がった後、1.5年はもみ合い、2005年の後半か2006年の前半にかけて、一気に3倍まで価格が上昇することになります。

 

銅の在庫の動きにかなり遅れて価格が市場に織り込まれたことは市場参加者はよくわかっていたことだと思います。しかも3倍に価格が上昇したときには、銅の在庫は上昇に転じていたのです。

 

実は、銅だけでなく通常多くの先物コンタンゴ(順ざや)で、期近の先物より期先の先物ほうが価格が高い(3月満期の先物より6月満期の先物のほうが価格が高い)ことが通常です。供給量が十分ある場合は、在庫を抱えると借入金の金利や保管料などの費用が掛かるので期先物のほうが通常高くなるから期先のほうが価格が高くなります。

 

先物は通常、現在と将来の価値をイコールにすることを前提としていますので、

通常現在の価格で購入して在庫として管理した場合と、先物の購入で権利を確保した場合はイコールとなるということです。

 

それに対して供給量が不足した場合は、手に入らなくなるリスクを避けるために、価格が高くても期近先物で手に入れようとします。

 

こうなると自然と期近物のほうが期先物より価格が高くなるバックワーデーション(逆ザヤ)になるのです。

 

一度逆ザヤになると、商品の生産者は現在の高い価格で、利益を確定したくなるため、期先の安い値段で利益を確定しようとはしなくなります。そのため期先の売り手が減少して価格が下がらなくなります。期先のほうが価格が低いので、そこで売るよりは、現在または期近で売ったほうが高く売れるということです。

 

これはつまり、通常の順ざやのコンタンゴから、例外の逆ザヤのバックワーデーションに代わると、先物の期近と期先の需要が、実需面で変化し、市場価格の性質が変わる傾向があるということです。

 

こういうのは均衡点が二つあると考えられ、通常は均衡点が一つしかないと考える効率的市場仮説に反するものと考えられます。

 

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こうした図はたびたび出てきますが、有名どころでは増税すると税収が減るというラッファーカーブなども二つの均衡点をの存在を示しています。

 

本日は以上です。

 

少し内容が難しかったですね。

 

最近兄弟サイトのRL360の解体新書を書いていたため、内容が単調でちょっと飽きてきたので久しぶりにまともなことを書いてみました。

 

RL360のほうではファンド一覧を作ってみました。

そのうちハンサードでもやろうかなーと思います。

 

rl360.hatenablog.jp