ハンサード(Hansard)アスパイア解体新書2021

ハンサード(Hansard)アスパイア(いつかはゆかし)や海外投資を詳しく解説!

日本の海外積み立ての歴史

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ここで海外積み立ての日本での歴史をざっと紹介します。

 

元々日本ではフレンズプロビデントのプレミアが2008年前後に資産フライトブームにのって持ち込まれ、HSBC香港の外国銀行口座開設ブームに乗って、契約件数を増やしていました。

 

このころはまだ香港への郵送で契約ができましたが、HSBC香港の口座開設との抱き合わせで、海外旅行ツアーが多めだったようです。

 

元々は香港経由の変額年金保険ホールオブライフ101が主流でしたが、2010年ごろから金融庁の指導が入ったとのうわさではありますが、積立投資商品CR(キャピタルリデンプション)をフレンズ社が発売しました。CRは変額保険から保険機能を取った、投資商品といえる性質のものでした。

 

一方2010年ころはスタンダードライフを扱う会社も増えてきました。変額年金保険ホールオブライフは香港の登録商品ですが、フレンズ社の投資商品キャピタルリデンプションはMan島籍の商品だったため、正式な香港IFAは取り扱わなかったようです。

 

ここで香港→保険型の101(通称ワンオーワン)と国内→CR(キャピタルリデンプション)型の分離が始まりました。

 

初期はホールオブライフ101は日本から香港への郵送で問題なかったのですが、徐々に郵送は禁止で渡航しないといけなくなりました。

 

そうなると日本国内で販売できるCR型が強くなります。日本のCRを扱う仲介業者が保険業法についてアピールしたため事実てはありますが、ある意味ネガティブキャンペーンのようになりました。

 

これに危機感を持った特定の香港IFAに送客する、日本の無免許の仲介業者がフレンズプロビデントのネガティブキャンペーンを張ります

このネガティブキャンペーンとともに受け皿としてのスタンダードライフの露出が増えていきました。フレンズのCRが良くないというよりは、スタンダードライフが有利といったほうが説得力が高かったためです。

 

ここくらいから、海外積み立ての日本の業界はぎすぎすし始めます。徐々にプロバイダーであるフレンズ社やスタンダードライフ社だけでなく、日本の無免許の仲介業者が特定のIFAの悪口を記載するようになっていきました。これは大手であれば大手であるほど悪意ある書かれ方をしたようです。

 

確かこのころ日本の大手投資助言業者の一社が行政処分を受けてタイに移転したように思います。

 

もちろんほとんどのまともなIFAはこのような状況とは直接無関係ではありますが、日本人を多く集めた香港系IFAは日本の無免許の仲介業者経由の集客だったため、何をしているか把握していなかったという点では責任はあったのではないかと思います。

 

2012年このネガティブキャンペーンを発端としてフレンズ社が新規の日本人募集を停止しました。金融庁に指導を受けたとの話もありましたが、ブランドイメージの保持という意見も多くありました。

 

2012年くらいまでは海外積み立てはイニシャルユニットは18か月とか24か月などの固定型が多かったのですが、これ以降くらいから満期に応じてイニシャルユニットが変わる、イニシャルユニット変動型が出てきました。

 

また以前はボーナスと言ったらイニシャルユニットにつくものでしたが、CRが出始めたあたりから、アキュミレーションユニットに対してボーナスがついたり、満期時にボーナスがついたりと、バリュエーションが増えてきました。

 

このボーナスの条件は取り扱っている代理店でないと詳しく知らなかったため、情報が錯綜し、内容の誤った比較サイトが乱立することになります。

 

2012年ころにハンサード社がCR型の商品を出しました。日本ではハンサード社はテレビCMまで流した投資助言会社の宣伝により、一躍日本の海外積み立てのメインプロバイダに躍り出ました。

 

ハンサード社はフレンズ社やスタンダードライフ社に比べるとかなり小さい会社ではありましたが、多国語に対応しているシステムなど、日本でいうネット保険会社のような

低コスト型の会社といえそうです。小さくですが、そんなに不安もない企業といえます。

 

ハンサード社は香港IFAではほとんど取り扱われていなかったため、ハンサードが主流になることは香港系のIFAにとって不都合でした。

 

ここでまたハンサードのネガティブキャンペーンが行われることになったのです。しかしこの時は、日本のハンサード業者も自分に有利な比較サイトを作成したりと、ある意味どっちもどっちな環境ではありましたが、オンラインでの集客を重視する香港系のほうが比較的過激な表現が多かったようです。

 

実際スタンダードライフやロイヤルロンドンは比較的ネガティブ情報が少ないのは香港系の無資格仲介業者の選別色が強いことが分かります。

 

2013年に日本の複数の投資助言会社行政処分を受けるとともに、ハンサードの日本人受付は止まります。ハンサード社は日本で登録を目指すと発言していましたが5年たっても実現していません。

 

またハンサードは香港では取り扱いが少ないため、解約させてほかの商品に切り替えさせる、乗り換えビジネスも盛んになりました。

 

2013年ごろからロイヤルロンドンやインベスターズトラストが出てきました。特にインベスターズトラストはオンラインで申し込みができるという革新性、日本語対応のサイトなど、一目注目を浴びます。しかもケイマン籍ということで、商品性も特徴もフレンズのようなMan島籍とは全く異なる商品設計に、日本人はおろか香港人でもきちんと把握しているところは少なかったのではないかと思います。

 

その攻めっぷりは豪快で、ハンサードですらログイン後のページのみ日本語対応であったのにもかかわらず、インベスターズトラストは商品説明のページから日本語対応という徹底ぶりでした。

 

(現在は日本語のサイトを無くしましたので金融当局に指導を受けたと見られます。)

 

 しかし香港ではインベスターズトラストは登録されていなかったため取り扱いは限定的でした。今も保守的な香港IFAは取り扱っていないようです。現在は香港IFAは基本的にロイヤルロンドンを進めています。3年ほど前からロイヤルロンドンもCRにも対応しています。

 

また2017年ころから香港の積み立て投資に関して新規性が加わり、IFA向けの販売奨励費一括払いが禁止されました。これにより香港IFAは収益体制に変更があったものと思われます。

 

また2018年からは日本在住者は香港に住んでいても香港に登録されている海外積み立て商品に投資することができなくなりました。

 

現状はトラストを設定することで、むしろ日本からの郵送での申し込みができてしまっている環境のようですが、これも本来の趣旨からの潜脱でしかなく、長くは続かない見込みです。

 

またインベスターズトラストも、日本人向けはプエルトリコ籍の契約なるというのも業界をざわざわさせています。

 

現在香港IFAも日本の投資助言業も海外積み立てについては冬の時代といえそうです。IFAが仲介業者をきちんと管理していなかったことが主な要因とは言え残念な状況です。

 

しかし、日本の投資助言業者や香港のIFAはすぐにつぶれることはないと思われます。これは積み立て投資という特性所徐々に残高が積みあがっていくためです。

 

ケイマン籍のプレミアトラスト等新しい商品も出てきており、今後はどのようになるのでしょうか?日本はTPPに加盟しており、TPP加盟国の金融商品は日本に流入する可能性もあります。

 

いずれにしても現在海外積み立てをしている方の契約は貴重な契約だと思います。

特にフレンズ社、スタンダードライフ社、アジアス社、ハンサード社、ロイヤルロンドン社などのものは続けられるなら、コツコツ積み立てを継続することが、今後のリターンにつながっていくものと思われます。

 

◆ホールオブライフ101は保険なのか?

 

日本ではホールオブライフ101型の紹介ができない理由として保険業法を挙げています。

 

保険業法186条(日本に支店等を設けない外国保険業者等)


① 日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約を締結してはならない。ただし、同項の許可に係る保険契約については、この限りでない。

② 『日本に支店等を設けない外国保険業者に対して日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

 

1項は販売会社について、2項については加入者についての条項になります。

 

この186条2項が加入者にとって問題となります。

 

これに対し、香港系のIFA(といっても、それを仲介する無免許のブロガー)は、101は1%分しか増えないので、保険ではない!と抵抗し、キャピタルリデンプションはむしろこの1%のメリットがない分不利な契約である、と説明していたのです。

 

ただ1%かどうかは保険業法的には正直関係ありません。

 

保険業法第二条 この法律において「保険業」とは、人の生存又は死亡に関し一定額の保険金を支払うことを約し保険料を収受する保険、一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し保険料を収受する保険その他の保険で、第三条第四項各号又は第五項各号に掲げるものの引受けを行う事業(次に掲げるものを除く。)をいう。

 

と記載していますので、生存、死亡に関して一定額の保険金と書いてありますので、ホールオブライフ101はこれに適合してしまします。

 

また日本の変額でない積み立て型年金保険はほぼ、死亡しても戻ってくるのは積み立てた分だけです。1%なら問題ないという金額の問題ではないことは明らかです。

 

金融仲介業者が金融について素人であるため情報が錯綜した一例といえそうです。