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ハンサード (Hansard)ファンド分析MC52 JPMorgan India Fund

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 本日紹介するのはJPモルガン社のインドファンドです。

 

 コメント欄にシーオさんからFirst state china growthのコメント欄に「 CHINA嫌いの私は、JPモルガンインディアに変更しましたが、嫌いでもパフォーマンスは凄いですね。 まだ残り20年以上あるので、スイッチングした方が良いですかね? 答えを求める様な質問ですいません。 」と質問をいただいたので、先にJPMorgan India Fundを説明した後に回答したいと思います…特別ですよ⁉(^_-)-☆

 

まずインドですが10年前はあまり投資対象としてお勧めできる環境ではありませんでした。しかし長年与党だったのインド国民会議派政権から人民党が2014年に政権を奪い、モディ政権になってから徐々に、保護貿易政策を撤廃することで、経済が活性化してきています。

 

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インドのビジネス環境の改善

2015年時点では142位だったビジネス環境ランキングは2019年に77位まで一気に改善した。2014年以降は貿易額も上昇傾向で企業の国際競争力が増していることが分かります。

 

比較対象として中国は2018年がビジネス環境ランキングは78位でしたが、2019年は46位まで上昇しておりビジネス環境はかなり改善してきている状況です。

 

ちなみに日本は2019年は34位でした。

 

インドの投資環境はここ5年で格段に良くなってきています。

 

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JPmorgan India Fund

 さて実際のファンドの運用成績はどうでしょうか。1989年からの30年間で約26倍…十分な実績ではないでしょうか?アジア通貨危機リーマンショックなど様々な危機を乗り越えながら高いリターンを残しています。

 

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ファンド構成

 

投資対象としては大企業を中心に分散投資しています。1銘柄当たり多い企業としては金融が5企業と目立っているようです。

 

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業種

 業種別でも金融が41%と高い比率です。経済の発展期は、企業の設備投資などによる資金需要が旺盛で、金融事業の利益が高い傾向があります。一方不良債権がたまれば日本のように、逆に経済の足を引っ張ることもあり得ます。

 

JPモルガン系はインドだけではなくアセアンなどでも金融を多めにするのが特徴で、それによりインデックスより高いリターンを出しています。

 

◆First state china growthとJPMorgan India 

 

 今回質問があったのでFirst state china growthとJPMorgan India を簡単に比較してみましょう。

 

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JPMorgan India VS First State China

 中国のFirst state chinaのほうが運用開始が近いので、そこから合わせて実績を比較してみましょう。内容を確認してみるとリーマンショック後の2010年以降の成長性に差が生じているようです。

 

これは政府債務の割合が中国が48%、インド69%と財政出動の余裕度と政治体制の違いにより、中国のほうが素早く動けることが要因だと思われます。

 

どうしても民主主義国家だと短期的な財政出動に対して、野党が反対する傾向があるため、機動的な政策運営ができない傾向があります。その点共産党一党独裁の中国は政治的な判断が早い傾向があります。

 

 

インドvs.中国―二大新興国の実力比較

インドvs.中国―二大新興国の実力比較

 

 この書籍は多少古いですがインドと中国を比較した本です。簡単に言うと強固な官僚制の元、公益のために個人の権利が侵害されるが、物事が進むのが早い中国と、世界最大の民主主義国家として、多様な文化と多様な人種により意見が一致しないため物事が進まないインドを比較しています(内容的にはインドはボロ負けです)。

 

 ここを見たときには民主主義の個人としてのメリットは大きいが、大きな国としてのスピードを考えると社会主義国家のスピードの速さに目を見張るものがあります。

 

ただし、多少古い本なので割り引いて考えてもよいでしょう。

 

現在は最初にも記載したように、政権与党が交代してから、経済環境も好転している。一時期危ぶまれた選挙も、皮肉にもパキスタンとのカシミール地方の爆弾テロに起因する衝突により、モディ政権の支持が回復してきています。

 

また今までの経済成長率は中国のほうが高いですが、今後はインドのほうが高いと思われるので、5年前は判断しにくいが、現在は将来成長性からインドを組み入れるのも合理的だとおもいます。ただし、First state chinaはファンドマネージャーの腕が良く、捨てがたいです‥‥また一気にファンドを切り替えるのも積み立て投資の効果を減らすうえ、中国株の株価は多少上昇した後です。

 

2019年4月12日現在の判断投資ては、中国を組み入れるのは魅力的ですが、スイッチングではなく、今後の積み立てのみを変更するリダイレクションが良いとおもいます。また積み立てのドルコスト平均法の効果を考え、インドも残したいので、インドと中国を半分ずつ積み立てるなどはいかがでしょうか?

 

 二つの相関性は0.65と高くもなく分散投資効果も期待できます。

 

相関性 インド 中国
インド 1  
中国 0.65537 1

 

 ただし積極的な運用を期待するなら、ファンドマネージャーの腕にかけて、長期実績のあるFirst state chinaに投資するのもよいのではないかと思います。

 

個人的にはインドも中国もアジアに位置しており、新興国というカテゴリーは同じです。長期的なアセットアロケーション的には「好み」の範囲を出ないと思います。

 

◆最終的にはIFAと相談してみて

 

このブログは皆さんの投資判断の参考になることを目指してはいますが、すべてのポートフォリオを管理できるわけではありません。運用について理解する助けになればと思っています。

 

基本的には自分の担当IFAと相談することをお勧めします。

 

◆ファンドに投資すること

 

よくポートフォリオが変更されないという人がいますが、ファンドの名前は変わっていませんが、ファンドの中身はファンドマネージャーが状況に応じて変更しています

 

本来的にはポートフォリオが変わらないというのは、個別株に投資していて変更がない時の話で、ファンドに投資している場合はきちんとファンドマネージャーが中身を変更していることを理解しましょう。

 

基本的にIFAはアセットアロケーションを担当しており、個別銘柄の運用はファンドマネージャーに任せるという役割分担となります。